あぶりもちの思い出
あぶりもちは、大好きな「甘味~甘いもの~」(今風に言うと「和スイーツ」)です。
学生時代を京都で過ごした私は、お店へよく食べに行きました。
若い頃は、友人たちと集まっては、とりとめの無いお喋りを続けるのが楽しくて、大学のカフェやファミレスに集まっては、うだうだと会話を繰り広げたものですが、ちょっとほっこりしたいなあ、と思った時には、今宮神社まであぶりもちを食べに行きました。
お店は、今宮神社の東側の門前に2つあります。どちらも趣のある和式建築の茶屋です。
持ち帰って食べる事も出来るのですが、私たちは、店内の畳敷きの座敷に上がって頂きました。お茶を飲みながら、ひと串ずつ口にほおり込み、甘くてほんわかしたひとときを過ごしました。いや、実は私は食いしん坊なので、二串・三串とまとめて食べていましたので、同席の友人達からは、食べ過ぎだよと、よく言われて笑われていました。
どんなお餅?
京都が発祥とされているみたらし団子と同様、あぶりもちも京都で誕生したお餅の和菓子です。
レシピの概略は、竹串に一口サイズの可愛らしい小さなお餅を1つだけ刺して、きな粉をまぶし、炭火であぶります。そして、あぶったお餅に、甘い白味噌のタレをたっぷりとくぐらせて出来上がりです。
あぶりもちをお店で食べる場合、お皿に盛られて運ばれてきます。香ばしいかおりと、ドロッとした、ゆず色をした甘い白味噌タレが特徴的・印象的です。
きな粉と白味噌タレの風味が渾然となった甘味を体験出来ます。素朴な甘さとでも言いましょうか。
個人的には、あぶり餅多めにタレを絡めてあぶり餅を頬張るのが好みです。団子と言うよりも「お餅」と言うにふさわしい形状をしています。柔らかな食感です。そして伸びます。焦げ目が付いている部分がまたおいしいですね。あぶりもちを食べてると、どこか懐かしい気持ちになって和んできます。
ちなみに白味噌は、京都では古くから愛されているようです。例えば正月のお雑煮は、白味噌が主流です。そして、お菓子にもよく使われます。これには昔は、甘い食べ物は貴重で、甘味のある白味噌を使った料理やお菓子は、庶民的であると共にご馳走でもあったから・・・・といったニュアンスのお話を聞いた覚えがあります。
みたらし団子のお店
現在各地でよく食される、みたらし団子の発祥のお店は、加茂みたらし茶屋さんだとされています。お店は、下鴨神社の西側を走る下鴨本通という道路をはさんだ向かい側に所在しています。
営業時間は午前9時30分から午後8時まで。水曜日が定休日です。
店内で食する場合ですと3本で400円。持ち帰りも出来ます。
また、「みたらし祭り」などにおいては、下鴨神社の境内でも販売されているようです。
本家と元祖があります
あぶり餅を提供している茶屋は、今宮神社の東側の門前に2軒あります。
「元祖 正本家 一和」(一文字屋和輔)さんと、
「本家 根元 かざりや」さんです。
両店舗は、元祖と本家をそれぞれ冠しています。どちらも歴史と伝統があるのですが、
「一和」さんが創業1,000年余り、そして、「かざりや」さんが400年だそうです。
すなわち、あぶりもちは1,000年以上の歴史を持つことになります。
平安時代、疫除け等のために今宮神社へ参拝した人に振舞われた、とも言われているそうです。
一見どちらも同じ様なたたずまいの茶屋で、店頭では、お餅を竹串に刺したり炭火で焼いたりしています。備長炭との事ですが、この炭火で炙られる、きな粉やお餅が焦げる匂いがたまらない訳です。お店には、多数の方たちが働いています。少なくとも私たちお客が見える範囲では、その殆どが女性の方たちです。男性陣は「縁の下の力持ち」といったところでしょうか。
あぶり餅は、「一和」さん、「かざりや」さん、いずれでも店内で食べれて持ち帰り(お土産)も出来ます。個人的には、出来立ての温かいうちに食べた方が美味しいと思います。茶屋内で頂く場合、どちらも、一皿15本程度が盛られて出てきます。随分本数が多く感じるかもしれませんが、1個あたりが小さいので、ペロリと食べれます。
私は、学生時代にはどちらのお店にも通っていましたが、風味は微妙に異なっています。例えば、味噌ダレなどのレシピは「秘伝」だったりする訳ですよね。2つのお店の、あぶりもちの食べ比べをしてみるのも楽しいかもしれませんね。
「一和」「かざりや」さん双方とも、一皿500円、営業時間は10:00-17:00/原則・水曜定休です。
※あぶり餅の、通販・お取り寄せは行なわれておりません。
※持ち帰り(テイクアウト)はOKです(3人前¥1500~)。
※料金や営業時間等は変更される事があります。
アクセスと観光
今宮神社の所在地は、京都市北区紫野今宮町21。拝観料は無料です。拝観時間は、いつでも大丈夫です。
ただし、あぶり餅のお店には営業時間がありますのでご注意下さい。
アクセスについては、京都以外の地域から旅行等で来られる場合、
例えば下記のアクセス方法が分かりやすくてシンプルだと思います。
京都市地下鉄烏丸線・北大路駅(地下鉄は、JR京都駅や阪急烏丸駅から乗車出来ます。)
↓
京都市営バス205系統
(乗車時間5~10分)
↓
船岡山(もしくは千本北大路)下車
↓
徒歩5分程度
北大路駅からは、タクシーに乗っても、1メーター程度だと思います。なお、無料駐車場もありますが、10台ほどしかスペースがありません。
周辺の観光については、同神社の目前には、大徳寺や舟岡山(建勲神社)が所在し徒歩で行けます。また、すぐ北西には、本阿弥光悦の芸術拠点であった鷹峰があります。さらに、西方には金閣寺(北山鹿苑寺)があります。